良心とは

ある朝の出来事。

いつもの通勤途中、かなりの渋滞で「事故でもあったのか?」等と思いながら車を走らせていた。

大きな交差点が差しかかる手間で、前方の車が車線変更をはじめる。
中にはぎりぎりまで前にすすみ強引に割り込む車もいて、朝から「イラッ」とするな等と思っていたところ・・・
渋滞の原因となっている車が見えた。
交差点の真ん中で、荷台から石材と思われる荷物が落ちたらしく、運転手が大わらわな様子で一人で荷台にもどしていた。
危ないな~と思いながら様子を見ていたら、そこに女子高生と思われる女の子が駆け寄り手伝いだした。
遠くで会話は聞こえなかったが、運転手は戻るように諭していた様に見えたが、彼女は自分の持てる荷物を選び懸命に車に戻しはじめた。
そして、その姿をみた同級生らしい女の子が一人また加勢しはじめた。

交差点の真ん中で、通勤途中の車が脇を走る中での危険な行動である。

・・・が、彼女たちの困っている人を見つけ、助けの手を差し伸べる姿を目にして悪い気はしなかった。むしろ、自分も含め何もせず、先を急ぐ大人達の行動を少し恥じながらも、溺れた子供を助けようとした方が命を落としたとのニュースが頭をよぎった。

命を大切に思うからこその素晴らしい行動の結果、命を落としてしまう。
それでは、窮地の人を目の前にして放っていて良かったのか。

危ないやろ!の言い訳と本音と良心が頭の中でぐるぐるとうごめいた。

答えは、きっと・・・でない。

それでも、自分の中にあるだろう「良心」とはずっと向き合っていようと気をとり直し仕事に向かう事にする。

ともあれ、彼女たちが無事に学校に到着していることを祈るばかりである。

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